←味噌へ ←戻る


いっぽう雅夫は軍属となり、資材の調達にインド、アフリカなどを
飛び回っていた。大きな体に似合わぬ筆マメで、よく写真入りの便
りをよこした。

昭和16年


この時雅夫の乗り合わせた船は龍田丸といって、大きな
赤十字マークのついた病院船だった。

昭和16年

 写真の裏には
 「千枝殿。ボンベイから乗って来た。
 City of Parisの写真があるのだが、
 大きすぎて送れないから又今度ね」
 と書いてある。非常時とは思えぬ、
 なんとものんびりした文面だ。