CARL ZEISS JENA 純正ズームレンズ2本
左がVARIO-PRAKTICAR 35〜70mmF2.7〜3.5.右がVARIO-PRAKTICAR 80〜200mmF4。カメラはPRAKTICA BX20s。
- 【ファーストインプレッション】
- 全金属製で、肉厚。この時代の日本製ズームと比べると重厚感のある造り。2本とも鏡胴の動きはとてもスムーズ。それなりに使い込んだ雰囲気の中古コンディションだが、ガタや遊びもなく高級感がある。
- 両方のレンズとも、まだ少し試写しただけだが、描写は大変良好。ネダンだけのことはあるようだ。ズームにありがちなディストーションが少なく、たいへんシャープで、質感描写も感じがいい。もちろん全面マルチコーティング。発色も良好で、たいへんクリアー。他の単焦点レンズと見分けがつかないほど統一感がある。
- 絞り羽根は、いずれも6枚。カールツァイスイエナ製の特徴だった絞り羽根がピカピカの金属光沢ではなく、ツヤ消しに改良されている。中間絞りの形状は、手裏剣状のギザギザになるのが惜しい。この絞り形状は、50mmF1.4の後期タイプと似ている。
- 35〜70mmF2.7〜3.5は、開放口径F2.7という明るい仕様(世界一?)で、フィルター口径58mm。回転式ズーム。最短撮影距離80cmというのは物足りないが、ズームリング70mm側にてマクロ機構がある。
- 80〜200mmF4は、直進式ズームだが、ズーミングしても全長は変化しない。フィルター口径52mm、最短撮影距離1.1m。スライド式レンズフード組み込み。
絞り羽根は、いずれも6枚。中間絞りでは角が鋭いギザギザの形状になる。
VARIO-PRAKTICAR 35〜70mmF2.7〜3.5 F8の状態 VARIO-PRAKTICAR 80〜200mmF4 F11の状態
VARIO-PRAKTICAR 80〜200mmF4のズーミングのカム摺動部ズームミング機構の摺動部は、カムの溝と摺動ピンが直接触れる構造になっている。日本製ズームのような合成樹脂のリングは使用しておらず、剛性感がある。金属同士の組み合わせにもかかわらず、作動はスムーズでガタもない。たいへん精密に作られているようだ。
日本製のズームレンズの場合、このようなカム溝は金属プレートで覆われているのだが、このカールツァイスイエナ製のズームレンズはゴムリングを外すと、その下に直接カムが現われる。