多彩なバリエーション
プラクチカは、外貨獲得や社会主義経済圏を中心とした一眼レフのニーズに応えるために、仕様変更や小改良を加えた数多くのバリエーションを送り出している。 M42スクリューマウントのプラクチカでは、新世代のLシリーズだけでも1968年のプラクチカLから最後のプラクチカMTL5Bに至るまで、カタログで数えただけで実に24種類ものバリエーションがあり、この他に小変更やOEMモデルを含めると、把握できないほどの膨大なモデルが次々と送り出されたことになる。
プラクチカBシリーズも同様であり、仕様変更等のバリエーションはきわめて豊富だ。(別表)
プラクチカB200登場の2年後に、マニュアル機能とプレビュー装置を省略した絞り優先AE専用機プラクチカB100が登場した。AEの低速側が1秒までとなり、ファインダーのシャッター速度表示はLEDでなく針式メーターとなった。シャッターダイヤルの機械式制御によるX接点用の矢印マークは1/90秒となった。ポデーのレザー貼りも、当初はB200と同一のピラミッドパターンだったが、後期型では両側面だけに縦ラインを配したプレーンなものに変更されている。

1984年には、プラクチカBC1が登場する。B200のマイナーチェンジで、外部調光式フラッシュ(ストロボ)の充電完了によりファインダー内のLEDが点灯し、シャッター速度をXに自動設定、調光状態を確認できるフラッシュOKモニターを加えたものだ。ホットシューの連動接点は、オリンパスの外部調光タイプのOM-10等と同一で、明記されてはいないが、フラッシュの共用が可能である。
続いてB100のマイナーチェンジとして、プラクチカBCAが登場。フラッシュOKモニターを採用し、ファインダーの速度表示を3色のLEDに変更。オーバー(赤)・1000-60(緑)・30-1(黄)・アンダー(赤)とした。X接点用の機械式シャッターは1/60秒となった。これらの後期型は、巻戻しノブとフィルム感度設定・露出補正ダイヤルがプラスチック化されている。

その後、プラクチカBC1を基本に、AE機能とワインダー機能、プレビュー装置等を省略したマニュアル専用機としてプラクチカBMSが登場。電子シャッターの特性を生かして低速側は4秒まで設定され、普及機には珍しく全速度がLED表示される。底部カバーも、ワインダー装着穴のないプラスチック製になった。
このほかにも、BCAからファインダーの直読式絞り表示を省略したプラクチカBCS、セルフタイマーを除いたプラクチカBCC、BMSからセルフタイマーを除いたプラクチカBMが登場している。
さらにプラクチカBC-1のボデー右にグリップを設けた改良型プラクチカBC-3、同機と同一仕様でカールツァイス・イエナ製を強調したイエナフレックスAM-1という特定市場向けのネーム違いも発売されている。この他にも、OEM等により別名称で販売されたモデルが存在するようだ。

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