■トプコンAM(眼底カメラ)TOPCON AM
トプコンスーパーDを基本とした医療関連の撮影用ボデー。専用の交換式ファインダーを装備しており、視度補正付きである。このファインダーはペンタプリズムではなく、普通に観察すると左右は正像だが、上下は逆像になる。医療機器の光学系に装着した状態で、正しく観察できるようになるのだろう。フォーカシングスクリーンは十字線入り素通し空中像で、観察像は円形である。視野の左にデータ表示用の長方形のスペースが設けられている。撮影像も、直径23ミリの円形で、フィルム面にマスクがはめ込まれている。像はたいへん鮮鋭に観察できるようだ。
医療用機器と連動して使用するため、撮影機能は限定されており、シャッターは約1/60秒(X同調速度)の一定速度のみである。底部にある通常のスーパーDでは露出計用であるスライドスイッチは、フラッシュシンクロのFPとXの切替えスイッチに変更されている。ワインダーを装備して医療機器と連動する仕様らしく、底部にはそのための連動接点も設けられている。
ベースとなったトプコンスーパーDから一般撮影機能が省かれたため、シャッター速度ダイヤル、露出計窓、エプロン横のミラーアップダイヤル、絞り込みレバーの位置にはメクラ蓋が施されている。もちろん露出計も内蔵されていない。
マウントは、通常のトプコンRE(エキザクタ)と同一だが、フランジバックが7ミリほど長く、ミラーも長くなっている。*同様な医療用カメラで、トプコンM (TOPCON M) というモデルもある。前機種のトプコンREスーパーを基本にしており、巻き上げレバーの指当てやワインダー連動接点の有無などが相違点。