【はじめに】![]()
知られざるトプコンカメラたち
東京都板橋区蓮沼町に本社を置く東京光学(現トプコン)は、戦前からカメラづくりに取り組んでいた歴史あるカメラメーカーです。第二次大戦終了までは陸軍関係を中心とした光学兵器を製造し、海軍関係の日本光学(現ニコン)と並んで、その技術力には定評のあるところ。現在も、東芝グループの一員として、トプコンブランドの光学機器、医療機器、測量機器などで確固たる地位を築いています。
カメラ事業については、業界の激しい価格競争などから1981年に撤退してしまいましたが、その優れた製品は未だに根強いファンを持っています。世界初のTTL開放測光を採用したトプコンREスーパーに代表される一眼レフや、等倍ファインダーを実現したトプコン35Lなどの名機、シムラーやトプコールの名レンズの数々についてはご存じの方も多く、トプコンコレクターである吉田高盛さんのホームページ「トプコンクラブ」に詳しく紹介されています。そこで、こちらでは一般には市販されなかった特殊用途のカメラにスポットライトを当てたいと思います。
残念ながら試作機といった門外不出のものは、ありませんが、トプコンファンにはぜひご覧に入れたい珍奇なカメラの数々をご紹介します。なお、筆者は単なるアマチュアのカメラファンで、ここにご紹介する特殊用途カメラ等が実用されていた現場のことは無知に近いので、推測による記述が中心になっています。勘違い、ミスなどありましたら、どうぞご教示のほどよろしくお願いいたします。*「トプコンカメラの歴史〜カメラ設計者の全記録」白澤章茂著(朝日ソノラマ 定価1,900円)という素晴らしい書籍が2007.4.20に刊行されました。長年にわたりカメラ設計や広報活動に携わっておられた視点からの各種カメラやレンズの詳細な開発状況などを含めた解説は、まさにカメラファンが待望していたものです。東京光学機械〜 トプコンの会社の歴史についても実に興味深い内容で、企業物語としても読みごたえ十分。しかし残念なことに出版元である朝日ソノラマの事業撤退でまもなく絶版となってしまいました(廃業・会社清算。一部既刊の書籍・雑誌は朝日新聞社出版本部が継承)。本を見かけたら、早期に入手されることをお勧めします。(2008.3.10)
*このホームページはカメラコレクターの個人的趣味によるもので、トプコン(東京光学機械)とは無関係です。