【秘宝】トプコンRE-2ブラック TOPCON RE-2 Black

ようこそ、隠しページへ。大好きなトプコンRE-2ブラックへのラブレターです。(2/6)



19歳(1969年)の頃。シルバーのREトプコール200mmF5.6とのユニークな組み合わせは最高。

■希少なブラック仕様
結局、ブラックは受注生産に近い状態であり、トプコンRE-2のブラック仕上げはいつ納品になるかわからないということで、「それまでの間、使いなさい」と、店のショーウインドーに飾られていたクロームのトプコンRE-2を貸与してくれた店員の厚意には感激しました。待つこと、約2カ月。ようやく入手できたときの感激は、忘れません。自分にとって、一番思いでの深かった記念すべきカメラです。この当時、ブラック仕上げは一般的な仕様でなく、カタログにも記載されていません。おかげで、価格はクローム仕上げと同一でした。
入手以来、この愛機は大切な宝物。休日は、いつも一緒でした。ブラックは特に傷が付きやすいので、下ケースだけを使用したり、ストラップ部がすれないよう、革ひもを使用したりと、いつもきれいなコンディションに保つよう気を使っていました。
翌年、最高級機のトプコンREスーパー(クローム)も、ようやく買うことができたのですが、ファインダーが素直で明るく見やすいことや、シャッターショックが少なく小型軽量なことなど、弟分であるトプコンRE-2のほうが一般撮影という実用面では優れていることを改めて感じたものです。
■心変わりの離別と幸運の再会
実は、二十歳を迎えようとした頃、あれほど熱中していたカメラへの興味が薄くなり、金欠病も重なって、この大切なトプコンRE-2ブラックを会社の大先輩のY氏に譲渡してしまったことがあったのです。しかし、いつも、このカメラのことは、失った恋人のような気持ちで心に引っかかっていたのです。やがて十数年を経てカメラ熱が再発したとき、幸運にもY氏の所在が判明し、買い戻すことができました。当方はすでに会社を辞めており、Y氏も引退し悠々自適の身の上で、再会の機会とともに、両者にとってその奇遇を懐かしがったものです。
もちろん、お代はフンパツしましたが、再び元の持ち主のもとに返ってきた愛機は、メーターのみ作動不良でしたが、それ以外は十数年前とほとんど変わらないコンディションでした。さっそく、自分の事務所のすぐ近くにあった東京光学名古屋営業所でオーバーホール。すでに35ミリカメラ生産からは撤退していた時期でしたが、見事に完動の状態に復帰しました。
事情を尋ねたところ、なんと昭和38年トプコンREスーパー発売に引き続く業務拡大で昭和38年の秋に名古屋にサービス指定店が設けられて以来(東京光学の名古屋営業所が開設されたのは翌年の昭和39年9月)、カメラ修理の専門家としてメンテナンスを引き受けておられたA氏が、いまでもボランティア的にアフターサービスを実施しておられたとのこと。時間はかかっても、メーカーの元で責任ある完全修理できたのは感激でした。
余談ですが、幸運にもカメラの修理引取時に名古屋営業所でA氏から直接カメラについてお話をうかがう機会がありましたが、そのときはまだA氏の経歴等を存じあげないままであり、ソフトな物腰と貫祿から、当方はすっかり営業所長さんかと長らく思い込んでしまっていたほどです。
■現在もコンディション良好
トプコンRE-2ブラックは、大口径の58mmF1.4や、シルバーの面積の多い200mmF5.6レンズを装着すると迫力満点のスタイルになり、自負心をくすぐります。愛機は、今までに合計3回、調整修理とオーバーホールを経験しています。最初は、購入直後にフィルムのパーフォレーションがコマ間になるのが気になったので調整してもらったこと(メーカーのサービスステーションへ持参する途中、初めての交通事故を体験というハプニング付き)。その次は数年後に連続撮影の練習をしていたら、巻き上げ不能の故障状態に陥り修理。3度目が前述のメーター故障(スイッチ不良交換)とオーバーホールです。
すでに30年以上を経過していますが、ずっと大切にしているおかげで、現在も外観は手ズレ感の他は美しい状態で、撮影機能は良好です。ただひとつミラーメーターのcds受光体の経年変化のためか、TTL測光の感度が低下気味なのが残念なところ。しかし、一生の宝物として、いつまでも大切にしていくつもりです。
長文のおつき合い、ありがとうございました。

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